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インタビュー
児童相談所勤務などを経て弁護士に
これまでのキャリアについて教えてください。
大学卒業後は福岡市役所に事務職員として入庁し、10年間勤務した後に法科大学院(ロースクール)へ進学して弁護士になりました。弁護士になった2008年に静岡鉄道草薙駅近くに当事務所を開設し、2013年1月に現在のJR清水駅近くに拡張移転しました。
事務所の理念を教えてください。
「妥当な解決を図る」ということを大切にしています。依頼者が不当に譲歩することなく、反対に、相手に過剰な要求をすることもなく、法律を適用して導き出される妥当な解決を目指しています。
離婚分野に注力している理由を教えてください。
先ほど、福岡市役所の事務職員として10年間働いていたという話をしましたが、その中で、こども総合相談センター(児童相談所)で勤務した経験があります。
ここでは、お子さんがいる女性から相談を受けることがよくありました。「離婚したいけれど相手が応じてくれない」「離婚後の生活が心配で、別れる決断ができない」など、様々な悩みを抱えている方の話を伺いました。
弁護士として、どんな方の力になりたいかを考えたとき、まず浮かんだのが児童相談所で出会った女性たちだったんです。離婚という大きな局面に立っている方に法的サポートを提供し、明るい未来への一歩を踏み出してほしいという思いから、注力しています。
今年(2023年)で弁護士になって15年経ちますが、一貫して離婚案件に対応してきました。依頼者は30代から40代が中心ですが、50代以上の方が熟年離婚の相談に来る方も少なくありません。また、離婚案件では女性からの相談・依頼のみ受けていることも特徴です。
女性からの相談・依頼のみ受けているのは、どういった理由でしょうか?
1つは、児童相談所勤務時代も含めて、これまで女性から多くの相談を受けてきたので、その経験を活かせるからです。
もう1つは、男性に比べて女性の方が、離婚による経済的負担が大きくなりやすいからです。夫婦間においてはどうしても妻の方が収入や財産が少ない傾向があり、離婚後の生活への不安から離婚に踏み切れない方が多いです。また、子どもが幼い場合は特に女性が親権者になることが多いですが、相手から養育費を支払ってもらえず困窮するケースも多々あります。
離婚によって女性が不利益を被ることがないように、法律面からサポートすることは弁護士として大変意義がありますし、大きなやりがいを感じています。
男性からも女性からも相談・依頼を受ける弁護士が大半ですし、それは何もおかしいことではありません。ただ私は、女性の味方として相談・依頼を受けるというスタンスを明確にするためにも、男性からの相談・依頼はお断りする方針にしました。
さらに、当事務所がある地域はそれほど弁護士の数が多くないので、先に夫から相談を受けてしまうと、その後妻からも相談があった場合、利益相反を理由に断らざるを得ません。そういった事態を避けるためにも、女性からの相談・依頼のみに対応しています。
当事者双方にとって妥当な解決を目指します
離婚案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
妥当な解決をするために、急ぎすぎないことです。依頼者としては、当然早く解決してほしいと思っています。しかし、解決を急ぐあまり強引に進めてしまうと、相手が「弁護士に言いくるめられた」「騙された」「不利な条件で離婚させられた」といった恨みつらみを持つことが少なくありません。
離婚しても、たとえば子どもがいれば面会交流や養育費などを通じて関係が続きますし、あとでトラブルになる可能性もあります。ある程度時間がかかったとしても、相手方との交渉を丁寧に進めて妥当な解決を目指す方が、双方にとって良い解決になることが多いです。
また、依頼者は、相手に対する怒り、夫婦関係が悪くなった悲しみ、離婚後の生活に対する不安など、様々な思いを持っていらっしゃいます。ですから、まずはしっかり話を聴くことも心がけています。
離婚について、どういった相談が多いでしょうか?
相手が離婚に応じてくれないという相談が一番多いです。
離婚に応じない理由は様々で、必ずしも妻に対する愛情から離婚に応じない方ばかりではありません。子どもを手放したくないとか、自分に有利な条件で離婚したいといった理由で応じない場合もあります。
そういう場合でも、弁護士にご依頼いただければ、ある程度時間はかかりますが最終的には離婚できる場合が多いです。
最近の相談の特徴や傾向があれば教えてください。
夫が親権を求めるケースが増えたように思います。親権争いは感情的な対立が激しいですし、裁判所に対して、自分が親権者にふさわしいということをしっかり主張していく必要がありますから、弁護士によるサポートは重要です。
取り返しがつかないことになる前に、早めにご相談ください
離婚について弁護士に相談するメリットを教えてください。
法律知識と経験に基づくアドバイスを受けられることです。
たとえば、相手と離婚の条件を話し合う際、事前に弁護士に相談することで、相手の感情を刺激せず冷静に話合いを進めるポイントや、やってはいけないことなどについてアドバイスを受けられます。話し合うべき事項や、法律上認められている権利などに関する説明も受けられるので、離婚条件の取り決めに不備や漏れが生じるリスクも避けられるでしょう。
最近はインターネットで情報を得る方も多いですが、間違った情報や偏った情報も多く、法律に詳しくなければ情報の取捨選択が難しいです。中には、ごく例外的な裁判例を見つけて自分に当てはまると解釈したり、自分に有利な情報ばかり見てしまう方もいらっしゃいます。自分のケースに当てはまる正しい情報を得るためには、弁護士に相談することが確実です。
相談後に、弁護士に依頼するメリットも教えてください。
ご依頼いただければ、弁護士が代理人として相手と交渉し、調停や裁判にも対応します。自分で相手とやりとりするのは精神的にかなり辛いでしょうから、弁護士に矢面に立ってもらえることは大きなメリットです。
男性だから、女性だから、という分け方をするのは時代的にふさわしくありませんが、私の経験で言いますと、やはり女性の方が言い負かされてしまったり、DVやモラハラを受けていて言いたいことを言えなかったりする傾向にあります。相手と離婚の条件を話し合う際、一方的な内容の条件を突きつけられて、拒否できずに受け入れてしまう方も少なくありません。
弁護士が代理人になれば、相手が理不尽な主張をしてきても論理的に反論し、依頼者に認められた権利を実現できるように交渉を進めます。
初回の相談ではどのような対応をされていますか?
まずは、話をよく聴くようにしています。そのために、初回相談は1時間無料にしています。30分無料という事務所は多いですが、30分ではじっくりお話を聴けないことが多いので、当事務所では1時間に設定しています。
相談では、私から「こうするほうが良いですよ」と方向を示すのではなく、あくまでも決めるのはご本人という前提で選択肢を示すようにしています。同時に、それぞれの選択肢のメリット・デメリットや見通しもお伝えします。
弁護士から見ればAという選択肢が良いと思われる場合でも、依頼者はBという選択肢を望んでいる場合もあります。やはりご本人が納得いく選択をしたほうが後悔せずに済むと思うので、できるだけ依頼者の意思を尊重することを大切にしています。
相談は平日と土曜日の9時から17時まで対応可能です。夜間や日曜・祝日でも対応できる場合がありますので、お気軽にお問合せください。
離婚について悩み、弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
離婚するというのは、誰にとっても大きな決断です。場合によっては、自分さえ我慢すれば結婚生活を続けられるかもしれません。ですが、長年我慢することはストレスが溜まりますし、何より、自分の人生を大切にしていただきたいと思っています。
現状を変えるために必要なのは、とにかく踏み出してみることです。相談した結果、「やっぱり今離婚するのは止めておこう」という結論になれば、それはそれで一歩前進したことになります。弁護士のアドバイスを受けることで、1人で悩んでいたときとは違う展望が開けるかもしれません。お気軽にお問い合わせください。