インタビュー
依頼者の人生がより良くなることをいつも考えています
これまでのご経歴を教えてください。
2016年に弁護士になり、関東に多くの支店を持つ法律事務所に入り、大宮支店長を任されました。2018年には共同代表弁護士として横浜で独立し、2023年に当事務所を設立しました。大学も法科大学院(ロースクール)も東京でしたし、いずれ東京に事務所を構えたいという想いがあったんです。
事務所として、どういったことを大切にされていますか?
一番は、どうすれば相談に来られた方の人生がより良くなるか考えることです。そのために、一人一人としっかり向き合って、じっくりお話を聴くようにしています。
依頼者のお話を聴く上で、心がけていることはありますか?
どういう想いや背景があって相談に来られたのか、そして本当に求めていることは何かというところを強く意識しています。本当に求めている部分というのは、本人もはっきりわかっていなかったり、わかっていても言いづらかったりすることもあります。
本当に求めていることというのは、どういったイメージでしょうか?
例えば、配偶者が不貞をしたので、配偶者や不貞相手に慰謝料を請求したいというご相談は多いです。
言葉だけをとらえれば、「いくら支払ってもらえるか」といった話になりますよね。ところが、依頼者が本当に金額にこだわっているかというと、必ずしもそうではありません。むしろ気持ちの部分で満たされないとか、気持ちの整理がつかないという場合が多いです。
ですから、お金を支払ってもらえれば満足という話ではないんです。お金を請求するよりも、自分の気持ちをきちんと配偶者や不貞相手に伝えて、受け止めてもらえたと思えることが大事な場合もあります。
もちろん、求めていることは人それぞれ違い、お金を支払ってもらうことで満足する方もいます。やはり一人一人としっかり向き合い、ニーズを見極めることが大事ですね。
互いの人生や子どものためにも、できるだけ良い終わり方を目指しています
離婚について、どういったご相談が多いでしょうか?
離婚したいけど切り出せない、険悪になったり力関係に差があったりして夫婦間では話し合いが進まない、離婚に向けて何をすべきかわからない、離婚後の生活に不安があるなど、離婚全般に関して様々なご相談をいただきます。男女比としては、やや女性が多いですがそれほど差はありません。
どういった理由から、離婚分野に注力されているのでしょうか?
弁護士になった当初から一貫して取り扱っていて、非常にやりがいを感じる分野だからです。
離婚は、依頼者のその後の人生に関わる重要なことです。人生の岐路に立つ依頼者を支えて、希望に満ちた人生のスタートを切れるように案件を進めることが私たちの仕事です。しかし、弁護士の進め方が悪ければ、相手との関係が険悪になったり、いがみ合ったまま終わってしまう可能性もあります。そういう意味で、弁護士の責任が重い分野であり、法律知識だけでなく弁護士の人間力も試される分野だと感じています。
弁護士としての力量が問われるからこそ、うまく解決して依頼者に喜んでいただけると心から嬉しいですね。
離婚案件を手がける上で、特に心がけていることはありますか?
私の考えとして、お互い憎しみ合って終わりにするというのは、当事者のためにならないと思っています。離婚自体は避けられないとしても、気分の悪い終わり方は避けたいものです。子どもがいる場合は、養育費の支払いや面会交流などを通じて離婚後も一定の関係が続くため、なおさら終わり方が重要です。
なるべく良い形でそれぞれの人生を再出発できることが理想だと思っているので、私の活動方針として、ただ不平不満をぶつけ合うような進め方はしないと決めています。
もちろん、DV、モラハラ、経済的虐待を受けていた、不貞があったなど、法的な結論に影響することは主張します。しかし、単なる感情論などは、相手にぶつけても対立を激しくするだけです。
こちらが不平不満をぶつけると、相手も「こっちだって言いたいことがある」という感じになりそうですね。
不平不満をぶつけたい、自分がどれだけ嫌な思いをしたか伝えたい、謝罪させたいといった気持ち自体はわかります。でも、実は相手も相手なりに思うことがあって、同じ事実でも見え方が全然違ったり、全く違うところが気になっていたりするんです。そのような状態で不平不満をストレートにぶつけ合うと泥沼化して、余計にいがみ合うことになりかねません。
たしかに離婚と一口に言っても、心底いがみ合って嫌いになって別れるケースと、そこまでいかないケースがありそうです。
そうですね。どういう弁護士に依頼するかによって、そこは結構差が出る部分だと思います。
そもそも私は、弁護士に依頼することが必須だとは考えていません。ご相談いただいた際は、「すぐに弁護士が入るべきか?」ということを必ず検討します。
弁護士を代理人に立てれば、相手は「対決姿勢を取られた」と思って、態度が頑なになる可能性があります。夫婦で直接話し合いができそうな場合は、「今は弁護士を入れない方が良いですよ」とアドバイスすることも少なくありません。
相談者のことを第一に考えてバックアッププランも用意
弁護士が入らない場合は、何度も相談に訪れるという流れなのでしょうか?
当事務所では、自分で話し合いはできそうだけど、話がまとまるまで定期的に弁護士のアドバイスを受けたいという方にバックアッププランをご用意しています。弁護士に依頼して代理人になってもらうより、費用はずいぶん少なくて済みます。
そういったプランを用意している弁護士は多いのでしょうか?
相談だけ重ねることは一般的ではないので、少ないと思います。このようなサポート体制があることは当事務所の強みでもあります。
相談に来ていただいた方のことを第一に考えるのが私のポリシーです。今すぐ弁護士に依頼することがご本人の利益にならないと考えれば、迷わずそうお伝えします。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
先ほどお話したとおり、サポート体制がかなり整っていることは強みです。
また、離婚トラブルと一口に言っても様々なパターンがあります。私は、協議離婚に向けた交渉や離婚調停といったオーソドックスな手続きも多数経験していますが、あまり他の弁護士が経験していないような特殊な案件も経験しています。経験の幅が広い分、様々な状況に対応できたり、柔軟に解決策を考えられることも強みです。
特殊な案件というのは、たとえばどういったものでしょうか?
離婚は、協議離婚か調停離婚で終わることが多いのですが、調停でも解決できない場合は裁判になります。一審判決に不服があれば控訴をして高等裁判所で争うことになります。私は、離婚、婚姻費用、面会交流のいずれについても、高等裁判所まで争った経験があります。
また、養育費を支払わない相手に強制執行をしたところ、相手から強制執行の停止を申し立てられて、それに対してこちらも争っていくという珍しいケースも経験しています。他の事務所で難しいと言われたケースでも対応できる可能性があるので、ぜひ一度ご相談ください。
初回相談1時間無料。オンライン相談にも対応しています
初回相談の流れを教えていただけますか?
まずは電話かメールで相談予約をお願いします。その際に簡単なご相談内容をうかがいます。相談は、事務所までお越しいただく方法はもちろん、オンラインでも可能です。費用は、初回相談は1時間無料です。
相談当日は、一通りご事情をうかがって、その場で必要なアドバイスをいたします。また、すぐに弁護士を入れた方が良いか、バックアッププランが良いか、それとも今は弁護士のサポートは必要ないか、費用とともに提案いたします。
その上で、ご依頼いただくかどうかを決めていただきます。すぐに結論を出す必要はないので、ゆっくりご検討いただければと思います。
離婚について、弁護士に相談するメリットはどういったところでしょうか?
精神的にすごく楽になると思います。離婚に関する悩みは、なかなか人には話しづらいことです。相談できる相手もいない、知識もない、進め方もわからないという中で悩むストレスはとても大きいでしょう。
弁護士に相談するのは勇気がいると思いますが、不安に思っていることを全て話せば、頭や感情を整理できます。また、必要な知識や見通しなどを聞けることは安心につながるはずです。
相談は早いほうが良いのでしょうか?
間違いなく早いほうが良いです。離婚するまでにはある程度時間がかかります。まず、離婚という方向で気持ちを固めるために時間が必要です。離婚を決意してからも、別居するために家を探して引っ越したり、子どもの転園や転校の手続きをしたりと、やるべきことが山のようにあります。そして離婚するときは、財産分与、親権、養育費、面会交流など、様々な事項について自分がどうしたいのかを考え、相手と交渉しなければなりません。
このように、離婚の悩みは、弁護士に相談してもすぐには解決しないことが多いです。離婚を考え始めたら、早めに一度ご相談ください。今後の進め方を整理し、解決までに何が必要でどのくらい時間がかかるか、一緒に見通しを立てていきましょう。
離婚案件の中で、印象に残っているものを教えていただけますか?
色々ありますが、離婚調停の末に復縁したケースが印象に残っています。妻が弁護士を立てて離婚調停を起こして、私は夫から依頼を受けました。
弁護士を付けて離婚調停を起こしている時点で、普通に考えれば復縁はありえません。しかし、私の依頼者である夫は「どうしても復縁したい」と希望していました。1年近く調停で対話を続けて、最終的には妻が調停を取り下げて復縁することができたのです。
調停まで行って復縁することはなかなかありません。依頼者にとても感謝していただけましたし、非常に珍しいケースということで、印象に残っています。
離婚について悩み、弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
弁護士に相談するのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、まずは一度ご相談ください。私は常に、依頼者にとって何がベストか考えていますので、無理に依頼を勧めることはありません。今は弁護士が不要だと思えば、そのとおりお伝えしますのでご安心ください。
弁護士には守秘義務がありますので、相談内容が外に漏れることは一切ありません。あなたの思いを率直に話していただければと思います。1人で抱えてきた悩みを弁護士に話し、アドバイスを受けることで、随分気持ちが楽になるはずです。