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インタビュー
弁護士として長年のキャリア。非常勤裁判官・家事調停委員としても長年離婚トラブルに関わってきました
これまでのご経歴について教えてください。
2002年に弁護士になり、まず神戸市内の大手法律事務所に就職しました。その後2007年に独立して、当事務所を設立しました。地元が神戸なので神戸の法律事務所に就職して、地元に貢献したいという想いから迷わず神戸で独立しました。
どういったことを事務所の理念にされていますか?
どんなに困ったときでも、全てが敵であるように思えるときでも、1人だけは自分のために最善を尽くしてくれる。ひとりぼっちで歩いているときも守られていると感じさせてくれる。それが自分が依頼した弁護士である、と思っていただける事務所でありたいと考えています。
そのため、日々自己研鑽に励むことはもちろんのこと、弁護士法1条 (弁護士の使命) に則り、誠実、的確、迅速、丁寧を旨として業務を遂行することを理念にしております。これは、弁護士の仕事を始めた当初から一貫して持ち続けている想いです。
どういった理由から、離婚分野に注力されているのでしょうか?
元々離婚をはじめとした家事事件に興味がありましたが、2012年から4年間、神戸家庭裁判所の非常勤裁判官(家事調停官)を務めたことが1つの転機になりました。
家事調停官というのは、どういったお仕事なのでしょうか?
普段の弁護士の仕事をしながら、週一日裁判所に行って、裁判官として家事調停に関わる仕事です。家事調停官として家事事件に関わるようになって、家事事件に対する興味が高まっていきました。それと並行して家事事件のご依頼もどんどん増えていって、注力分野の一つになったという形です。
家事調停官は任期があるのでしょうか?
最長4年で、私は4年務めました。その後は神戸家庭裁判所の家事調停委員に就任して、現在も引き続き離婚調停などに関わっています。
調停官と調停委員はどういったところが違うのでしょうか?
家事調停に関わるという点は同じです。ただ具体的な役割は全然違います。あえて単純化しますと、調停委員は直接当事者から話を聴いて、問題点を整理したり、ケースに合った解決策を考えたりします。他方、調停官は、調停の進め方を調停委員と協議しながら方向性を決めていきます。
調停官も調停委員も、誰でもなれるわけではなく、条件を満たしたうえで弁護士会から推薦してもらう必要があります。弁護士の中でも限られた人しかなれませんし、不適任とみなされれば続けられないシビアな仕事です。
調停官と調停委員の経験は、弁護士業務として離婚を取り扱う上で活きていますか?
間違いなく活きています。調停の進め方に大きく影響してくるのですが、離婚案件をあまり経験していない弁護士は、民事裁判のような主張書面を書く傾向があります。民事裁判は、お互い真っ向から主張をぶつけ合って裁判官が判決という形で白黒つけます。
しかし、調停は、裁判官が白黒つけるものではなく、あくまでも裁判所で行う話し合いです。それにもかかわらず民事裁判のような主張書面を書いてしまうと、不必要に相手の感情をあおってしまって話し合いが進まないことが非常に多いんです。
そういったケースをたくさん見てきましたから、私が依頼を受けて調停に対応するときは、相手の反応を予想して表現を工夫できるようになりました。もちろん、言うべきことはしっかり主張します。ただ、一つ一つの表現にこだわることで、こちらの主張が通りやすくなるのです。
他に経験が生きていると感じるところはありますか?
見通しを立てるスピードと正確さです。離婚案件をあまり経験していない弁護士だと、なかなか正確な見通しが立てられません。特に家事事件は、担当する裁判官の裁量が大きいので見通しを立てづらいという特徴があります。
その点、私は多数の離婚案件に関わってきたので、初回相談の段階である程度見通しを立てられます。そしてご依頼いただいて実際に調停が進んでいくと、私が最初に立てた見通し通りに進むことが非常に多いです。
依頼者の気持ちに寄り添い、密に連絡を取って進めていきます
離婚に関して、どのようなご相談が多いでしょうか?
圧倒的に多いのは、養育費の額と財産分与です。ほかにも、親権争いや面会交流に関するご相談も多いですね。相談者の男女比は半々くらいで、幅広い年代の方からご相談いただいています。
離婚案件を手がける上で、どういったことを心がけていらっしゃいますか?
離婚案件に限りませんが、できるだけスピード感を持って進めることです。特に離婚に関して言いますと、心を痛めている方が多いので、親身になって、共感して、お気持ちを理解することを大切にしています。
依頼者とのコミュニケーションで意識されていることはありますか?
密に連絡を取ることです。依頼者とはLINEも交換しますし、毎日のように連絡を取り合っています。緊急の要件であれば、スケジュールを調整し、できる限り優先的に対応するようにしています。
弁護士と連絡が取りやすいというのは、依頼者にとってすごく安心でしょうね。
そう思います。依頼者の中には、遠慮して弁護士に連絡できず、言いたいことを溜め込んでしまう方もいますが、密に連絡を取ることで不安や疑問を伝えやすくなると思います。
私としても、依頼者とコミュニケーションを取る機会が多くなることで、ちょっとした変化に気づけますし、誤解が生じたようなときにも早く軌道修正ができます。お互いにとってメリットが大きいため、連絡の取りやすさは特に重視しているポイントです。
圧倒的な経験で得られたノウハウでスピーディーに解決
事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどういったところでしょうか?
長年弁護士として仕事をしていますし、調停官・調停委員としても多数の離婚案件に関わっていますので、一般的な弁護士と比べて離婚の取り扱い件数は圧倒的に多いと思います。そこで得られた知識と経験は大きな強みです。
スピーディーに解決するためのポイントはどういったところでしょうか?
相手がこだわっている部分を察知することが大事です。相手がこだわっている部分について、こちらが譲歩できるならする。その代わり、こちらがこだわっている部分は相手に譲歩してもらうように提案します。
そして、必要以上に相手の感情をあおらないことも大事です。相手が意地になってしまうと、合理的な提案をしても拒否されてしまって長期化します。
相手も早く解決したいと思っていますので、ボタンを掛け違えている部分を察知して的確に進めれば、自然に解決は早くなると考えています。
こういった能力を磨くことができたのは、長年調停官・調停委員を務めて、通常の弁護士業務では考えられないような件数に関わってきたことも大きいですね。
離婚案件のやりがいはどういったところでしょうか?
医者で言うと、元気になって帰ってくれることが喜びだと思うんです。離婚もそれに似ていて、区切りをつけて、人生をリスタートする場に立ち会えることはやりがいです。
多くの方が、初めて相談に来たときと解決したときの表情が全然違うんですよ。希望に満ちた、本当に輝かしい表情になっていて、その姿を見ると私まで嬉しくなります。
これまで取り組んできた離婚案件の中で、どういった案件が印象に残っていますか?
長期間かかって解決した案件も印象的ですが、依頼者が1人で長年抱えてきた問題や他の弁護士に頼んで全然解決しなかった案件をスピーディーに解決できたときは、依頼者にとても喜ばれるので印象に残ります。
早めの相談が大切。自分の判断で動いてしまうと、取り返しのつかないことにもなりかねません
離婚に関して、弁護士に依頼するメリットはどういったところでしょうか?
弁護士に依頼することで、法律的なサポートを受けられることはもちろん、精神的な負担が軽くなります。離婚に悩んでいる方の中には、絶望的な気持ちになっている方もいます。離婚は多くの方にとって初めての経験ですから、そういった気持ちになるのは当然のことです。
他方で、多くの離婚案件を見てきた私からすると、離婚トラブルもいずれ解決して、人生を再スタートできることはわかっています。依頼者の気持ちに寄り添いつつ、少しでも前向きになれるよう励ましながら、解決までの道筋を一緒に進んでいきます。依頼者からは、「精神的に救われた」「先生がついていてくれて心強かった」というふうに言われることも多いです。
また、相手とのやりとりを任せられることもメリットです。夫婦同士で話し合うと、声が大きい方の言いなりになってしまうことがあります。特にDVやモラハラを受けている方の場合、なかなか反論できない方も多いでしょう。
しかし弁護士に依頼すれば、依頼者に代わって、主張すべきことはしっかり主張し、拒否すべきことはしっかり拒否します。相手の言いなりになって不利益を被る事態を回避できるという点でも、依頼するメリットは大きいです。
初回相談の流れを教えていただけますか?
まずは電話・Webフォーム・LINEのいずれかで相談予約をお願いします。ご相談は、原則平日9時30分から18時に受けていますが、夜間や土日祝も可能な限り対応します。
当日は、まず、事務所で用意している相談シートへの記入をお願いします。結婚した日や子どもの有無といった基本的な情報と、相談の内容を簡単に記入してもらいます。シートの情報を元に、より詳しいお話を聞いて、その場で可能な限りのアドバイスをします。依頼する場合の費用や見通しについても説明します。相談料は30分5500円(税込)です。
最後に、離婚について悩み、弁護士への相談を検討している方に向けてメッセージをお願いします。
弁護士に相談するのは敷居が高いと感じるかもしれませんが、勇気を出してご相談ください。親身になって対応します。
相談は、早いほうが断然良いです。「もっと早く来てくれていれば、より良い解決ができたのに」と思ったケースは少なくありません。
相談料はかかりますが、相談せずに自分の判断で行動してしまうと、もっと大きな出費につながったり取り返しのつかないことにもなりかねません。その後の状況が大きく変わることもあるので、まずは弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。