インタビュー
依頼者の本気の思いに、全力で応えたい
事務所の理念や、普段から業務において大切にしていることを教えてください。
依頼者が本気で叶えたい望みに対して、二人三脚で全力で取り組むことです。
依頼者の中には、「とりあえず弁護士に依頼すれば何とかなるだろう」と思っている方もいますが、そのようなスタンスではなかなか上手くいきません。状況を把握して方針を立てるためには、依頼者から詳しく話を聞く必要がありますし、手続きを進める上でも依頼者の協力が欠かせません。
叶えたい望みに対して、依頼者も私も本気で向き合い、二人三脚でゴールを目指す関係でいられるように努めています。
離婚分野に注力している理由を教えてください。
一般の方の中には、離婚について誤解している方が少なくありません。浮気をしたら親権が取れない・養育費がもらえないというような間違った認識をしている人に正しい情報を提供し、不利益を被ることがないようにサポートしたいと思ったのが理由です。
現在、私が担当している案件の7割から8割が離婚関連です。
どのような相談が寄せられますか。
不倫や、生活費の不払い、養育費の滞納に関する相談が多いです。
不倫に関しては、不倫した側からの相談が多く寄せられます。例えば、「訴えられそうだ」とか「訴えられた」といった内容です。
不倫をした側でも、きちんと弁護士をつけて対応することが大切です。慰謝料には相場があり、相場よりもはるかに高額な金額を請求された場合には、適正な金額になるよう交渉する必要があります。不倫の責任は認めた上で、適正な金額による解決を図るべきです。
弁護士から内容証明郵便が届いた場合でも、すぐに相談してもらえれば、相手方への伝え方をアドバイスしますし、支払い方法や減額について代わりに交渉することも可能です。
不倫したことへの罪悪感があるかもしれませんが、遠慮せずに相談してください。相談後、「夜も眠れなかったけれど、安心して眠れるようになりました」と言われることも多いです。
最近の相談の特徴や傾向があれば教えてください。
晩婚化の影響からか、独身時代の財産が多く、離婚の際に財産分与で揉めるケースが増えたと感じています。
財産分与の対象になるのは婚姻中に夫婦で築いた財産に限られますが、独身時代から貯金やNISAなどを継続している場合には、財産分与の対象になる範囲で争いになるケースがあります。
離婚を少しでも考えたときに早めに動いておくと、有利に働くことがある
離婚について弁護士に相談するメリットを教えてください。
法的な主張を適切に行うことができる点です。
離婚案件では、調停を申し立てることが多くあります。公的な手続きを経るため、公平な判断を期待する方も少なくないでしょう。
しかし、地方では、町の名士のような法律の専門家でない人が調停委員になる場合もあります。そうした方々は個人の感覚や価値観に基づいて対応することがあります。たとえ裁判所の研修を数ヶ月受けていたとしても、「嫁はこうあるべき」「男はこうだ」といった固定観念を持っていることがあるのです。このような調停委員が担当になると、法的に妥当な結論が導かれるとは限りません。
特に私の場合、不倫をした側の依頼を受けることが多いため、弁護士が代理人になる必要性を強く感じるケースが多くあります。
調停を申し立てた本人が自分で対応すると、不倫という非難されるべき行為をした本人に対して、調停委員が説教をするなど感情的な対応をするケースがあり、本人の法的な主張が受け入れられないことがあります。
これに対して、弁護士が代理人として対応することで、調停委員の感情的な対応を制し、法的な主張を冷静に伝えて、解決に向けて調停の協議を進めることができます。
早めに弁護士に相談した方がよい理由を教えてください。
不倫や財産分与についての証拠集めができるからです。離婚を少しでも考えたときに早めに動いておくと、自分に有利に働くことがあります。
例えば、郵便物をチェックすることで配偶者の財産状況を把握できることがあります。証券会社からの郵便物で、配偶者が保有している株式の情報がわかる場合もあります。
実際に、依頼者の中には何年も前の郵便物の写真を保存しておいて、離婚の際に役立ったという方もいます。離婚を考え始めた時点で、すぐに離婚するかどうかは別として、一度弁護士に相談して、有利に動けるよう準備をしておくことが大切です。
離婚案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
法律相談の時点で、時間を気にせずにしっかり話を聞くことを心がけています。法的な結論だけを伝えるのではなく、依頼者の話を丁寧に聞くようにしています。
最近は複数の弁護士を比較して相談する時代です。他の弁護士さんも忙しいのは理解できますが、「要するにこうだよね」と結論だけを伝えても、依頼者としては「話を聞いてもらえなかった」と感じることがあるようです。
話をよく聞いていると、関係なさそうな話の中にも重要な情報が含まれていることがあります。「今なんて言いました?そんなことがあったのですか」という発見があることも少なくありません。
また、法律相談後のアフターフォローも行っています。私の名刺にメールアドレスやLINEの連絡先を記載しているので、気軽に相談していただけます。
1回の相談で終わりではなく、その後も「もう少し聞いてみたい」と思った際には、ちょっとした疑問ならメールなどでお答えします。会社員時代の習慣で、メールの返信は早い方だと思います。
最初から最後まで、全力で対応
これまで取り組んできた離婚案件の中で、印象に残っているものはありますか。
DVを理由とする離婚が成立した後、依頼者の荷物を元配偶者の住居から運び出す手伝いをするのですが、これは毎回印象に残ります。
あるケースでは、元配偶者が、酔っ払うと暴力を振るう人でした。私たちが現場に行った際にも酔っていて、目が座っていました。その様子を見た依頼者は、震えてほとんど動けなくなってしまったため、「ここは任せてください」と伝えて私が荷物を運び出しました。
また、別のケースでは、私たちが運び出そうとする全ての荷物に対して「それはダメです」とクレームをつける人や、依頼者に対して暴言を浴びせ続ける人もいました。いずれも、私が相手と交渉したり、代わりに荷物を運び出したりして、依頼者に極力負担をかけずに引越しを終えることができました。
引越しの手伝いは弁護士の業務には本来含まれないかもしれませんが、離婚成立後のアフターフォローとして私は対応しています。最初から最後まで、責任を持って対応いたします。
離婚のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
まずはお気軽にご相談ください。1人で悩まないことが大切です。話を聞いてもらうだけでも楽になる部分があると思います。カウンセラーではありませんが、法的な視点から力になれるようサポートいたします。
法律相談では、ゆっくりとお話を伺う時間を設けています。初回は無料相談も行っていますので、遠慮なくご利用ください。
簡単な相談で早期に解決できる場合は、それで問題ありません。例えば、制度についての簡単な質問であれば、すぐにお答えできます。
また、「生活費がもらえない」「別居後に離婚を考えている」などの具体的なお悩みがある場合には、状況を伺った上で調停などの最適な法的手続きを提案いたします。調停は弁護士が対応することでスムーズに進行しますが、ご自身で行うことは難しい場合が多いですので、どうぞご相談ください。
必要に応じて、法テラスの利用もご案内します。まずはお気軽にご相談ください。